ロードバイクが趣味で乗っている人であればだれもが持っているであろう物の一つがタイヤレバーではないでしょうか。タイヤ交換工具と言っている人もいるかもしれないです。
私が現在使っているタイヤレバーは実はもう30年以上使っているものなのです。私が当時中学生だった時に祖父が買ってきてくれたものでした。特にロードバイク用というわけではなく一般的な自転車なら何でも対応できるようにホームセンターなどで売られていたものだと思います。
スポーツバイクに乗り始めて30有余年も経てば当初使っていたものなどほとんど今は残っていないものではないでしょうか。もちろん残っているものはあるでしょうけど、ほとんどが倉庫に眠っていたりと、使わずに忘れ去られていたものだったりするのではないでしょうか。
私の場合どう言うわけか15歳のころからずっと40代後半の今に至るまで使い続けているのがタイヤレバーなのです。
今までの自転車人生の中で行ったすべてのパンク修理やタイヤ交換はすべてこのタイヤレバーで行ってきたわけです。樹脂製でタイヤ交換セットとしてせいぜい500円程度で販売されていたものではないかと思うのですが、改めて今まで長く使ってきたなあと思います。
使い始めて5年ほどのころには1日に 7,8回もパンク修理したこともありました。自宅から80㎞以上離れた山中で連続してパンクに見舞われるという最悪な出来事でした。当然スペアタイヤもパンクしてしまったので、あとはパッチを貼り付けてパンク修理をするしかありません。そのパッチすら限られた数しか携帯していませんから、途中からは一つのパッチを部分的にカットして貼り付けて対処していました。もう次にパンクしたら家まで帰れなくなるという危機的な状態で、こんな山奥で夜になるのかと言う絶望的な状況だったと思うのですが奇跡的に最後のパンク修理が功を奏してか家まで無事帰れたのでした。
パンクの原因は果たして何だったのかと言えば、じつはホイールの内側に原因があったのでした。今では少なくなったと思うのですが当時はどのクリンチャーホイールにもスポークを通す穴がホイールの内側のタイヤと接する面にもありました。その穴からニップルを通してスポークと固定するわけです。ですから必ずその穴をリムテープで塞いであげるわけです。その穴をリムテープで塞がないと高圧になったチューブがその穴にめり込みパンクしてしまうのです。私の場合まさにそれでした。はっきりとは覚えていませんがリムテープが比較的柔らかい素材で、ある程度劣化が進みチューブの空気圧に耐えられず穴にめり込んでしまう現象が起因していたと思います。なかなかこれは現場で対処できるようなことではないのですが、そんなパンク修理だったわけです。その時に活躍してくれたのもこのタイヤレバーだったのです。
10年たったころに我が家に初めての犬が来ました。生後7か月の柴犬です。まだあどけなさがあり目に付くものは何でも遊びの対象でした。とにかく何でも噛んで遊ぶのです。その被害に遭ったものの一つが私のタイヤレバーだったのです。金属製ではなく樹脂製でしたから丁度噛みやすかったのかもしれません。よく犬は骨を噛んで遊ぶイメージがありますがまさにそれでした。気が付いたときには噛まれた箇所が変形してしまっていました。幸い片方だけでしたが今でもレバーの差し込み側のへらになった部分ががちがちに噛まれて一部先端は欠損してしまっています。かまれて変形したほうのタイヤレバーを最初に差し込んでスポークに肯定し、次にもう一つのタイヤレバーでタイヤを外しにかかると、きまって最初に差し込んで固定してあるレバーが外れてしまう現象が起きます。これは噛まれて欠損した部分がうまくタイヤとホイールの間に食い込んで固定できないからです。パンクした時にこの順番で行うと必ずと言ってよいほどこの現象が起こるのです。しかし、このタイヤレバーの使い方を変えられないのもがまた玉に瑕なんですね。嚙まれてないほうのレバーを最舎にタイヤに差し込みスポークに固定すれば、確かにもう一つのレバーをタイヤに差し込んでもはずれません。しかし問題は、噛まれて先端が変形したタイヤレバーは張力が大きくかかった状態のタイヤとホイールの隙間に非常に入りにくいのです。そういうわけで、最初にかまれて変形したタイヤレバーを差し込んでスポークに固定するのが定番になっているのです。もはや私のタイヤレバーと特性だと思って使っていますね。
だから私のがタイヤ交換をするときに頻繁に最初に差し込んだタイヤレバーが外れて飛び出すんですね。今までさんざんにパンク修理やタイヤ交換を経験してきていまだに素人感があるタイヤレバーの発射が毎回のように起こってるんですね。もし他人い見られていたら素人だと思われるのでしょう。ですが私自身はパンク修理やタイヤ交換には相当な自信があるんですけどね。このレバーの発射は毎回愛犬まる子を思い出させてくれるのです。
やっぱり ”ものより思い出” ですかね。昔こんなキャッチコピーのテレビCMがあった気がしますが、このタイヤレバーはまさに私にとってはそれですね。よくもまあ30年以上もの長きにわたって紛失せずに使ってこられたものだなあとは思います。私の場合サイクリングするたびにそのままジャージのポケットに入れて走ることが多かったのでなおさらそう思います。
祖父はもう20年くらい前に他界しています。柴犬のまる子も7年ほど前に亡くなっています。自分の身近に残ったものはこのタイヤレバーです。祖父と柴犬の形見なのかもしれませんね。こんなちっぽけなたかがタイヤレバーなのですが、私にとっては思い出が詰まったものなのです。意外と誰にでもそういったものってあるのかもしれませんね。おそらく私が自転車に乗る限りこれからもこのタイヤレバーは使い続けます。こうやって改めて振り返って文章にしてみると、実際これを紛失したらショックだろうなあと思います。なくしたら買えば手に入るタイヤレバーではないですからね。これからなくさないように大事に扱おうと思います。

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